掃除屋さんのタオルの使用量

お掃除屋さんのタオルの使用量に見る作業スタイル

お掃除屋さんの基本が詰まった作業は空室清掃と呼ばれる、賃貸マンションの退去後のお部屋の原状回復に伴う全体清掃だと言えます。

水回り、窓・ベランダ、扉建具収納、床洗浄と住まいに関わるパートがすべて詰まっているのが空室清掃です。

この空室清掃でお掃除屋さんは拭き取り作業用のタオルは何枚使うのか?

13年間掃除業界にいる清掃会社を運営している私も他社さんの動向が気になるところです。
現場でのタオルの使用量については、

タオルを必要最小限に済ませることを追求する派


タオルを惜しげもなく使う派

に別れます。

それぞれにメリットとデメリットがあるので、どちらがいいとは言い切れませんが、今回はそのメリット・デメリットについて、当社の事例をもとに説明したいと思います。

ちなみにコジワンサービスでは必要最小限に済ませる派です。

ですが、結論を先に言うと、指導の入り口では最小限に済ませられるように指導して、経験をある程度積んだら、惜しげもなくふんだんに使いなさいとしています。

なぜ育成の初期段階で、現場で使うタオルの枚数を最小限で済むように指導するかというと理由はいくつかあります。

▶タオルで拭く前の汚れへの下処理を覚えるため

掃除において、タオルで拭くという工程は、実は最終工程なのです。

例えば収納の棚や建具の平行部が埃だらけだった場合、初心者はそこをいきなりタオルで拭きにかかってしまいますがそれはNGです。そうするとタオルは、タオルの繊維にホコリが絡まり濯いでも取り切れなくなり速攻で使い物にならなくなってしまいます。

そのタオルを使い続けたら汚れを拭いているようで、タオルに着いたホコリをそこら中に塗りたくって汚して回ることになってしまうからです。

タオルで拭く前に掃除機を当てたり、ラスター刷毛でホコリを落としたり、窓サッシレールなどは大量の水で濯いだり、ケレンで砂埃を取り除いて、ホコリ・砂・汚れを出来る限り取り除いてからタオルで拭かなければなりません。

この下処理を怠るとタオルはあっという間に損耗し、使えなくなってしまうからです。

この下処理を行う習慣・クセを身につけるために使用するタオルにあえて制限を設けることを新人指導の一環としています。

研修初期の段階でタオルを惜し気もなく好きなだけ使っていいよとしてしまうと、新人は下処理もせず片っ端からタオルをダメにしてしまい、いつまでたっても下処理を適切に行う技術が身につかない。なのでまず当社では下処理をきちんと行うことで使用するタオルを最小限で済ますことが出来るかを追求してみなさいと指導しています。

▶タオルのメンテナンスって大変

現場で使用したタオルは当然洗って干して再利用します。スモールビジネスであるお掃除屋さんは皆、限られた事業スペース、資材管理スペースで運営しています。そのため使用したタオルのメンテナンススペースも限られているという事情があります。

何十枚というタオルを干す場所、たたむ場所、保管するスペースにも制限があるため出来る限りメンテナンスするタオル量を抑えたいという事情も背景にあります。
また労働条件も過酷です。早朝から現場に出て夜遅くまで帰ってこれない日々です。帰宅、帰社後にタオルのメンテナンスを行うので、これまた出来る限りタオルの使用量抑えないと、洗濯機を2度、3度と回し、大量のタオルを干す時間的な余裕もないので、現場でのタオルの使用量を最小限で済ませようという涙ぐましい努力をします。

▶タオルの持ち運びは嵩張って大変

作業現場で使用するタオルを最小限に済ませようとするもう一つ背景に、タオルの持ち運び過程にもあります。

作業現場には、駐車場で道具・洗剤一式を降ろして台車に載せて作業現場まで運び込みます。掃除道具・洗剤は多岐にわたり、なんとか台車に乗り切るようにお掃除業者さんは工夫されています。

その中でタオルは重さは大したことは有りませんが、意外と嵩張ります。なので現場に持ち込む=運び込むタオルも必要最小限に留めたい事情があります。

アパート・マンションに階段が無かったりするとお掃除屋さんが泣きながら道具・洗剤一式を手で運び込みます。その際も往復回数を少しでも減らすために、持ち込むタオルの量も減らしたい事情があるのです。

 ▶作業効率と品質を追求すればタオルは惜し気もなく使った方が良い

下記は世界の洗剤王こと現役の掃除屋さんでありながら洗剤まで開発販売されているおそうじ歴25年、洗剤開発15年の株式会社 允・セサミ(インセサミ)の代表・山口さんのタオルの使用量・使い方を紹介している様子です。

掃除で使うタオルの使用量

ハーフウェットタオル

(引用元:『油職人とスチームさえあれば無敵の油清掃!』)

山口さんは清掃現場に100枚単位でハーフウェット(洗濯脱水した半乾き)の状態のタオルを持ち込まれるそうです。

掃除の作業工程で地味に労力を要し、作業効率を低下させる作業が汚れたタオルを濯いで絞ることです。

また汚れたタオルを濯いでも完全には綺麗にはなりませので、濯いだタオルが汚れをぬぐい切れず、汚れを塗り広げてしまうことになりかねないケースがあります。

この問題を解決する方法が、山口さんが推奨する圧倒的なタオル量を持ち込むことで、現場では汚れたタオルを濯ぐ、絞るという工程を省き、常にフレッシュなタオルを使うことで作業の効率化と清掃品質高める方法なのです。

余談ではありますが、山口社長はこの脱水後のハーフウェットの大量のタオルを現場に持ち込んで、まずは現場でタオルを畳みながら、分配しながらスタッフと打合せをしたり、役割分担や注意点の共有を図るそうで、作業開始前にスタッフとタオルを畳まれる作業がコミュニケーションの場になっているそうです。

(写真の引用元である山口社長のYouTubeもタオルの使用量について説明されていますので是非参考にしてください。リンク貼ってあります。)

▶メリット・デメリットを把握して取り入れてみましょう!

以上がタオルの使用量を最小限に抑えるスタイルとタオルを惜しげもなく使用するスタイルの長所・短所です。

自身のキャリアや請け負う現場の特性、指導育成する立場や現場に臨むスタイル(ソロ・複数名対応)によっても使い分けられるのではないでしょうか?

ご参考になれば幸いです。

ちなみにコジワンツールズがおススメするタオル『コージードライタオル』は清掃現場で使用するタオル枚数の削減に大きく貢献します。是非一度お試しください!

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